反芻思考とは?止まらない原因と止める方法7つ|「ぐるぐる思考」の治し方(夜・うつとの関係・セルフチェック)

反芻思考とは?ぐるぐる思考を止める方法7つ

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「なんであんなことを言ったんだろう」
——頭の中で、同じ場面が何度も再生される。

終わったことを何度も思い返し、夜も眠れない。考えれば考えるほど落ち込んでいく。心理学ではこれを「反芻思考(はんすうしこう)」と呼びます。反芻思考は、性格の問題ではなく「考え方のくせ」です。くせなので、止め方を練習すれば変えられます。この記事では、反芻思考の意味と原因、うつとの関係、そして研究で効果が確かめられている止める方法7つを紹介します。

  • 反芻思考(ぐるぐる思考)とは何かが、簡単にわかる
  • 反芻思考が止まらない原因と、うつとの関係がわかる
  • 今日からできる反芻思考の止め方・治し方がわかる
目次

反芻思考とは?意味を簡単に

反芻思考とは、嫌な出来事や自分の欠点、つらい気持ちについて、同じことを頭の中で何度も繰り返し考えてしまう状態のことです。牛が一度飲み込んだ食べ物を口に戻してかみ直す「反芻」にたとえた言葉で、英語では rumination(ルミネーション)、日常的には「ぐるぐる思考」とも呼ばれます。

反芻思考の研究を大きく進めたのは、アメリカの心理学者スーザン・ノーレン=ホークセマです。彼女は、落ち込んだときに自分の気分やその原因をくよくよ考え続ける人ほど、うつ状態が重く、長引きやすいことを明らかにしました。

ここで大事なのは、「よく考えること」と「反芻すること」は違うという点です。

比べるポイント反芻思考建設的な振り返り(内省)
考える問い「なぜ自分はこうなんだ」「なぜあんなことに」「次はどうすればいい?」「何ができる?」
時間の向き過去(終わったこと)未来(これからの行動)
考えたあと気分が悪くなる、決められないやることが決まり、少しすっきりする
終わり方終わりがなく、ぐるぐる回る結論が出て、終わる

なお、「将来の失敗」を先回りしてあれこれ考えるのは「心配(不安)」と呼ばれ、反芻思考とはよく似た仲間です。悩みのパターン全体は「悩みの原因10パターン」で整理しています。

反芻思考の特徴|セルフチェック

当てはまるものが多いほど、反芻思考のくせが強い可能性があります(医学的な診断ではありません)。

あなたはいくつ当てはまる?

  • 終わった会話や失敗を、何度も頭の中で再生してしまう
  • 「なぜ自分はいつもこうなんだ」と考え始めると止まらない
  • 夜、布団に入ると嫌なことばかり思い出して眠れない
  • 考えれば解決すると思って考え続けるが、答えは出ない
  • 人に言われたひと言を、何日も引きずる
  • 考えているうちに、どんどん気分が落ち込んでいく
  • 考えごとで頭がいっぱいで、目の前のことに集中できない

反芻思考が止まらない原因

反芻思考が止まらなくなるのには、いくつかの理由があります。

原因内容
「考えれば解決する」という思い込み反芻している本人は「問題を整理している」つもりのことが多く、やめると不安になります。けれども実際には、同じところを回っているだけで前に進んでいません
「なぜ?」という抽象的な問いイギリスの心理学者エドワード・ワトキンスの研究では、「なぜ?」と抽象的に考える反芻は問題解決の力を下げ、「自分はダメだ」という全体的な判断を強めることがわかっています
行動を先延ばしにする「避け方」反芻は、実際に動くことや嫌な気持ちと向き合うことを避ける手段になっていることがあります。考えているあいだは、行動しなくてすむからです
完璧主義・自分への厳しさ「失敗してはいけない」という基準が高いほど、小さなミスも何度も反省し続けてしまいます
疲れ・寝不足・ひとりの時間疲れているときや、夜ひとりでいるときは、気持ちが落ち込みやすく、反芻が始まりやすくなります

反芻思考とうつの関係

ノーレン=ホークセマの研究では、気分が落ち込んだときに反芻する人ほど、その後うつ状態になりやすく、症状が重く、長く続きやすいことが示されました。実験でも、落ち込んだ状態の人に反芻をしてもらうと気分や考え方がさらに悪くなり、気晴らしをしてもらうと改善しやすいことがわかっています。

つまり反芻思考は、落ち込みの「結果」であるだけでなく、落ち込みを長引かせる原因にもなります。逆に言えば、反芻を止める練習をすることは、心を守ることにつながります。反芻思考を専門に扱う認知行動療法(反芻焦点化認知行動療法)も開発されています。

反芻思考を止める方法7つ|ぐるぐる思考の治し方

反芻思考は「考えないようにしよう」と思うほど、かえって浮かんできます。大切なのは、考えを押さえつけるのではなく、考え方の向きや、注意の向け先を変えることです。

1. 「なぜ?」を「どうやって?」に変える

「なぜ失敗したんだろう」ではなく、「次はどうやって進めよう」「今日、何をすればいい?」と問いを変えます。ワトキンスの研究では、「なぜ」の抽象的な考え方から、「どうやって」の具体的な考え方に切り替える練習(具体化トレーニング)で、落ち込みや反芻が減ったと報告されています。

2. 夢中になれることで「回路」を切る

ノーレン=ホークセマの研究では、反芻のかわりに気晴らしをすると気分が回復しやすいことがわかっています。パズル、料理、掃除、ゲーム、手を使う作業など、注意が自然と向く活動を短時間でも行いましょう。ぼんやりできる作業より、少し頭を使う作業のほうが効果的です。

3. 「考える時間」を決めて、それ以外は後回し

心配や反芻が浮かんだら、「これは夕方の考える時間に考えよう」とメモして後回しにします。1日15〜30分の「考える時間」を決めておく方法は、心理学者ボルコベックらが心配の多い人向けに研究したもので、心配を減らす効果が報告されています。

4. 紙に書き出して、頭の外に出す

頭の中だけで考えると、同じ考えが何度も回ります。紙に書くと、考えが「目に見えるもの」になり、事実と思い込みを分けたり、次の行動を決めたりしやすくなります。書き終えたら、「今日やること」を一つだけ決めて終わりにしましょう。

5. 自分を「名前」で呼んで、距離をとる

心理学者イーサン・クロスらの研究では、「なぜ私は…」ではなく「〇〇(自分の名前)は、なぜ…」と三人称で自分に語りかけると、不安が下がり、落ち着いて考えやすくなることが示されています。友人に助言するように、自分の状況を外から眺めてみましょう。

6. 体を動かす・自然の中を歩く

運動は気分を切り替える手軽な方法です。スタンフォード大学などの研究では、緑の多い場所を90分歩いた人は、交通量の多い道を歩いた人に比べて、反芻が減ったと報告されています。散歩や筋トレなど、体を使う時間を意識してつくりましょう。

7. マインドフルネスで「考え」を眺める

マインドフルネスは、浮かんでくる考えを「止める」のではなく、「あ、また考えているな」と気づいて眺める練習です。呼吸に注意を戻す練習を続けると、考えに巻き込まれにくくなります。うつの再発を防ぐ方法として、マインドフルネス認知療法も開発されています。

反芻の中身が「どうせ何をやっても無駄だ」というあきらめなら「学習性無力感とは?克服する方法」、人と比べて落ち込むことが多いなら「劣等感とは?克服する方法」もあわせて読んでみてください。体を動かす習慣づくりは「筋トレの効果とは?メンタル・自己肯定感を高める」で紹介しています。

夜に反芻思考が止まらないとき

反芻思考は、布団に入ってからが一番つらいという人が多いものです。夜は次のような工夫を試してみてください。

  • 寝る前に「書き出しタイム」をとる:寝る1〜2時間前に、気になっていることと「明日やること」を紙に書いて、頭から降ろしておきます
  • 眠れないときは、いったん布団から出る:布団の中で考え続けると、「布団=考える場所」になってしまいます。眠くなるまで、明かりを落とした別の場所で静かに過ごします
  • 単調なことに注意を向ける:ゆっくりした呼吸を数える、退屈な音声を聞くなど、頭を休める方向に注意を向けます
  • スマホを見ない:SNSやニュースは、新しい反芻の材料になりがちです

専門家に相談する目安

こんなときは一人で抱え込まないで:反芻思考で眠れない日が続く、気分の落ち込みが2週間以上続く、仕事や家事が手につかない、「消えてしまいたい」と思うことがある。こうしたときは、うつ病や不安症などが隠れていることもあります。心療内科・精神科やカウンセラーに相談してください。働く人は厚生労働省の相談サイト「こころの耳」も利用できます。

反芻思考の止め方がわかる本

認知行動療法の第一人者が、反すう(ぐるぐる思考)に気づき、抜け出すための方法を、書き込み式でまとめたセルフケアブックです。この記事の方法を、実際に手を動かしながら練習したい人に向いています。

頭の中のひとりごと(チャッター)研究の第一人者イーサン・クロスが、自分を名前で呼ぶ方法など、考えすぎから抜け出す26の方法を紹介しています。科学的な根拠を知りたい人におすすめです。

うつ病治療で知られる精神科医による、ぐるぐる考えすぎから抜け出すための文庫本です。気軽に読めて、価格も手ごろです。

仏教の考え方をもとに、「反応しない」ことで心の消耗を減らす方法を説いた一冊です。マインドフルネスの考え方に近く、反芻に巻き込まれない心のつくり方がわかります。

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反芻思考についてよくある質問

反芻思考は治りますか?

反芻思考は「考え方のくせ」なので、練習で変えていくことができます。「なぜ」を「どうやって」に変える、考える時間を決める、気晴らしをするなどの方法を続けると、ぐるぐる考える時間を減らせます。つらさが強いときは、認知行動療法などの専門的な治療も選択肢です。

反芻思考は病気ですか?

反芻思考そのものは、誰にでも起こる心の働きで、病気ではありません。ただし、強い反芻が続くと、うつ状態を長引かせることがわかっています。眠れない、落ち込みが続くといった状態があれば、医療機関に相談してください。

反省と反芻思考の違いは?

反省(内省)は「次はどうするか」という未来の行動に向かい、考えると結論が出ます。反芻思考は「なぜこうなったのか」と過去に向かい、考えるほど気分が悪くなって終わりがありません。考えたあとに「やること」が決まったかどうかが、見分けるポイントです。

考えないようにしようとすると、逆に考えてしまいます

考えを無理に押さえつけようとすると、かえって浮かびやすくなることが知られています。「考えないようにする」のではなく、「あとで考える時間に回す」「夢中になれる作業に注意を向ける」「考えていることに気づいて眺める」といった方法を試してみてください。

まとめ:「なぜ」を「どうやって」に変えれば、ぐるぐるは止まり始める

反芻思考は、終わったことや自分の欠点を何度も考えてしまう「考え方のくせ」です。考えれば解決するように感じますが、実際には落ち込みを深め、長引かせてしまいます。抜け出す鍵は、考えの向きを「なぜ」から「どうやって」に変えることと、注意の向け先を、頭の中から目の前の行動に移すことです。今日はまず、頭の中のぐるぐるを紙に書き出し、「明日やること」を一つだけ決めてみてください。

あわせて読みたい

参考にした資料

  • Nolen-Hoeksema S. Responses to depression and their effects on the duration of depressive episodes. J Abnorm Psychol. 1991;100(4):569-582.
  • Nolen-Hoeksema S, Wisco BE, Lyubomirsky S. Rethinking rumination. Perspect Psychol Sci. 2008;3(5):400-424.
  • Watkins ER. Depressive rumination: investigating mechanisms to improve cognitive behavioural treatments. Cogn Behav Ther. 2009;38(S1):8-14.
  • Borkovec TD, et al. Stimulus control applications to the treatment of worry. Behav Res Ther. 1983;21(3):247-251.
  • Kross E, et al. Self-talk as a regulatory mechanism: how you do it matters. J Pers Soc Psychol. 2014;106(2):304-324.
  • Bratman GN, et al. Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation. Proc Natl Acad Sci USA. 2015;112(28):8567-8572.
  • Teasdale JD, et al. Prevention of relapse/recurrence in major depression by mindfulness-based cognitive therapy. J Consult Clin Psychol. 2000;68(4):615-623.
  • 厚生労働省「こころの耳」
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この記事を書いた人

こんにちは。 このブログは、困難や障害を突破する方法を解説しています。 仕事・お金・健康に関する記事は、公的機関の資料やサービスの公式情報を確認して書いています。特に、薄毛・脱毛・歯列矯正など医療や健康に関わる記事は、学会の診療ガイドラインや公的機関の資料を根拠にし、記事の最後に参考資料を載せています(制作方針は運営者情報に掲載しています)。 私自身の実体験や、困難に直面したときの考え方はnoteでも発信しています。 ▶ note「突破ラボ」を読む 人生、山あり谷ありで、誰でも大なり小なり行く手を阻む壁みたいなものを感じている方も多いのではないでしょうか。健康に関すること、お金に関すること、対人関係に関すること、様々な壁が私たちの前に立ちはだかります。壁を前にすると、結構悲観的になったりしますよね。 でも、案外、見方を変えたらうまくいったり、案ずるより産むが易し、であまり考えずに行動したらうまくいったりすることもあります。このブログではそんな困難を突破する方法を提示していきたいと考えています。このブログが少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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