※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
建物も道路も無事なのに、
病院も、店も、物流も止まる。それがサイバー攻撃。
サイバー攻撃は、パソコンの中だけの話ではありません。日本でもすでに、病院の診療が制限され、港の荷物が止まり、ビールや文房具が届かなくなるといったことが起きています。地震のように揺れはしませんが、生活への影響は災害に近いものがあります。
- サイバー攻撃で生活に何が起きるか、日本の実例でわかる
- 大規模な攻撃が起きたときに困ること(お金・病院・物・交通・情報)がわかる
- 現金・紙の情報・備蓄など、個人でできる備えがわかる
- 自分が攻撃の入口にならないための基本の対策がわかる
目次
サイバー攻撃とは?生活に関係あるの?
サイバー攻撃とは、インターネットなどを通じて、企業や病院、役所などのコンピューターやシステムを止めたり、情報を盗んだりする攻撃のことです。生活への影響が大きいのは、主に次の2つです。
ランサムウェアシステムのデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引きかえに身代金を要求する攻撃です。受注・出荷・会計など会社の仕組みがまるごと止まり、復旧に何週間もかかることがあります。
DDoS(ディードス)攻撃大量のデータを一度に送りつけて、サーバーやネットワークをパンクさせる攻撃です。予約や販売のシステムが一時的に使えなくなります。
今の生活は、病院・物流・お店・交通・銀行・電気などのほとんどがコンピューターで動いています。そのどこかが止まると、建物や道路が無事でも、私たちの生活に影響が出ます。
日本で実際に起きたこと|サイバー攻撃で止まった生活の実例
報告書や報道で公表されている内容をもとにまとめました。
病院電子カルテが使えず、診療が制限された(2022年・大阪)2022年10月31日、大阪急性期・総合医療センターがランサムウェアの被害を受け、電子カルテのシステムが暗号化されました。電子カルテのサーバーが動き出すまでに43日、診療のシステム全体が元に戻るまでに73日かかっています。翌11月の外来患者の延べ人数は、前の年の同じ月の約6割に落ち込みました。→ 生活への影響:予定していた診察や手術、救急の受け入れが制限され、近くの病院に患者が回ることになります。
物流日本一の港でコンテナの出し入れが止まった(2023年・名古屋)2023年7月4日、名古屋港のターミナルを管理するシステムがランサムウェアで止まり、全ターミナルで作業が再開するまで約2日半かかりました。影響したコンテナは約2万本、荷役の予定が狂った船は37隻。報道によると、自動車メーカーの工場も稼働を止めました。→ 生活への影響:輸入品や部品が届かず、お店の品ぞろえや製品の生産に影響が広がります。
食品・飲料飲料メーカーの受注・出荷が止まった(2025年・アサヒグループ)2025年9月29日、アサヒグループホールディングスはサイバー攻撃によるシステム障害を発表し、のちにランサムウェアの被害と確認されました。国内グループ各社の受注・出荷に影響が出て、電話による受注での対応や、新商品の発売延期にもつながりました。→ 生活への影響:ふだん買っている商品が店に並ばなくなります。
通販ネット通販の注文・出荷が止まった(2025年・アスクル)2025年10月19日、アスクルがランサムウェアの被害を受け、ASKULや個人向けのLOHACOの受注・出荷が止まりました。一部の会社向けにFAXで注文を受け、人の手で出荷するところから再開し、従来の1〜2割の出荷能力まで戻すのにも数週間かかっています。→ 生活への影響:いつものネット通販で日用品が買えなくなります。
交通航空会社のシステムが止まり、便が遅れた(2024年・JAL)2024年12月26日朝、日本航空のシステムがDDoS攻撃を受けて約6時間障害が起き、30分以上遅れた便が71便、欠航が国内線4便出ました。その間、航空券の販売も止まりました。→ 生活への影響:年末の帰省や出張の予定が狂います。
エンタメ・出版動画サービスが長期間止まり、本の出荷も減った(2024年・KADOKAWA)2024年6月8日、KADOKAWAグループのサーバーが攻撃を受け、ニコニコ動画などのサービスが止まり、復旧には1か月以上かかる見込みとされました。書籍の受注や物流のシステムも止まり、出荷が減りました。→ 生活への影響:使い慣れたサービスや、楽しみにしていた新刊が届かなくなります。
海外・電気サイバー攻撃で大規模な停電が起きた(2015年・ウクライナ)2015年12月23日、ウクライナで電力会社のシステムがサイバー攻撃を受け、約22万5千の顧客が最大6時間停電しました。社会を支えるインフラも、サイバー攻撃の標的になりうることを示した例です。→ 生活への影響:停電と同じことが起き、照明・冷蔵庫・暖房・水道のポンプなどが止まります。
大規模なサイバー攻撃が起きたら、生活はどうなる?
上の実例は、1つの会社や病院が狙われたケースです。もし、有事などで多くのシステムが同時に攻撃されたら、次のようなことが起こりうると考えておくと備えやすくなります。
起こりうること
- お金:カード払いやスマホ決済、ATMが使えず、現金しか使えない店が出てくる
- 病院・薬:電子カルテが見られず、診察の制限や薬の情報の確認に時間がかかる
- 物:物流が止まり、食品や日用品が店やネット通販から消える
- 交通:鉄道や航空の予約・運行システムが止まり、移動の予定が立たない
- 電気・水道:インフラが狙われた場合は、停電や断水が起きる可能性もある
- 情報:デマや、攻撃に便乗した詐欺メール・偽サイトが出回る
つまり、サイバー攻撃への備えは、多くの部分で地震や台風への備えと重なります。違うのは、「お金」と「情報」への備えが特に大切になることです。
個人でできる備え|サイバー攻撃で止まっても困らない暮らし方
1. 現金を少し手元に置くキャッシュレスが止まっても困らないよう、数日分の買い物ができる現金を、小銭も含めて家に置いておきます。
2. 大事な情報は紙でも持つ家族や職場の電話番号、飲んでいる薬の名前(お薬手帳のコピー)、持病やアレルギー、かかりつけの病院。スマホやクラウドが使えなくても見られるよう、紙に書いておきます。
3. 数日分の備蓄をしておく物流が止まると、店から物が消えます。水・食料・日用品を最低3日分、できれば1週間分。地震への備えがそのまま役立ちます。
4. 情報はラジオと公式発表でネットが使いにくいときのために携帯ラジオを用意し、SNSの不確かな情報より、国・自治体・会社の公式発表を確認します。
攻撃に便乗した詐欺に注意:大きな被害が報じられると、その会社や役所を名乗って「補償の手続き」「パスワードの再設定」などと案内する偽のメールやSMSが出回ることがあります。メールのリンクからは開かず、公式サイトやアプリから自分で確認してください。
自分が攻撃の入口にならないための基本の対策
個人のスマホやパソコンも、乗っ取られて攻撃に使われたり、職場のシステムへの入口にされたりすることがあります。IPA(情報処理推進機構)などがすすめる基本の対策は、どれも今日からできるものです。
今日からできる基本のセキュリティ対策
- OSやアプリは最新に:更新のお知らせが来たら早めにアップデートします
- 多要素認証をオンに:ワンタイムパスワードや指紋・顔認証など、パスワード以外の確認も設定できるサービスでは必ず使います
- パスワードを使い回さない:1つが漏れても、ほかのサービスに広がらないようにします
- 使っていないアカウントは削除:登録したまま放置しているサービスは、退会しておきます。登録時は必須の項目だけ入力します
- 大事なデータはバックアップ:写真や書類は、外付けのSSDなど、ネットから切り離せる場所にもコピーしておきます
サイバー攻撃の備えにあると助かるもの
ネットが使えなくても情報を
手回し・ソーラー充電ラジオ
ネットや携帯電話がつながりにくいときの情報源。停電しても手回しやソーラーで使え、スマホの充電に使えるものもあります。
大事なデータを守る
外付けSSD(バックアップ用)
写真や書類のコピーを、ネットから切り離して保管できます。バックアップを取ったら、ふだんはパソコンから外しておくのがポイントです。
インフラが止まったときに
ポータブル電源
停電が起きても、スマホやラジオの充電、照明を確保できます。地震・台風・サイバー攻撃のどれにも役立つ備えです。
物流が止まっても数日しのぐ
アルファー食品「安心米」
お湯や水を注ぐだけで食べられるアルファ米。店から物が消えたときの主食になります。味の種類が多く、普段の食事にも使えます。
※商品の価格・在庫は各ショップのページでご確認ください。
サイバー攻撃のよくある質問
Q. 使っているサービスがサイバー攻撃を受けたら、何をすればいい?
まず、その会社の公式サイトで、個人情報が漏れたかどうか、利用者にお願いしていることを確認します。同じパスワードをほかのサービスでも使っていた場合は、そちらも変更します。会社を名乗って届くメールや電話には、すぐに応じないでください。
Q. サイバー攻撃で電気や水道は止まる?
海外では、2015年のウクライナのように、電力会社へのサイバー攻撃で実際に停電が起きた例があります。どの国でも、電気・水道・通信などのインフラは攻撃の標的になりうると考えられているため、停電や断水への備えはサイバー攻撃への備えにもなります。止まったときの暮らし方は停電・断水・ガスが止まったらどうなる?で詳しく紹介しています。
Q. 現金はどのくらい持っておけばいい?
決まった目安はありませんが、数日分の食料や日用品が買える程度の金額を、小銭や千円札を中心に用意しておくと、お釣りが出ない店でも困りません。自宅に置く場合は、盗難や火災にも気をつけて保管してください。
まとめ|サイバー攻撃への備えは「止まっても暮らせる」準備
サイバー攻撃は目に見えず、いつ、どこが狙われるかもわかりません。でも、止まったときに困ることは、地震や台風のときとよく似ています。現金を少し、大事な情報を紙で、数日分の備蓄、そして基本のセキュリティ対策。それだけで、「止まっても暮らせる」暮らしに一歩近づきます。
備蓄の量や中身については、防災グッズ・備蓄品の本当に必要なものリストにまとめています。
参考にした資料