認知の歪みとは?10パターン一覧と例|自分で治す方法(コラム法のやり方)とセルフチェック【白黒思考・すべき思考】

認知の歪みとは?10パターン一覧と自分で治すコラム法のやり方

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「一度失敗したら、もう終わりだ」
——その考え、本当に事実ですか?

同じ出来事でも、ひどく落ち込む人もいれば、気にしない人もいます。違いを生むのは、出来事そのものではなく「受け取り方」です。心理学では、物事を悪いほうへ偏って受け取る考え方のくせを「認知の歪み」と呼びます。この記事では、認知の歪みの意味と代表的な10パターンの一覧と例、セルフチェック、そして自分で治すための「コラム法」のやり方を紹介します。

  • 認知の歪みとは何かが、わかりやすくわかる
  • 白黒思考・すべき思考など10パターンを、例でつかめる
  • 自分で考え方のくせを直す、コラム法のやり方がわかる
目次

認知の歪みとは?わかりやすく解説

認知の歪みとは、出来事を極端に悪いほうへ受け取ってしまう、考え方のくせ(かたより)のことです。英語では cognitive distortion といいます。

この考え方を示したのは、認知療法を生み出したアメリカの精神科医アーロン・ベックです。ベックは、うつ状態の人が「自分」「周りの世界」「将来」を否定的にとらえるくせを持っていることに注目しました。その後、ベックの弟子のデビッド・バーンズが、著書『いやな気分よ、さようなら』で、代表的な認知の歪みを10のパターンに整理し、広く知られるようになりました。

認知行動療法では、気分は出来事そのものではなく、出来事をどう受け取ったか(認知)によって生まれると考えます。

出来事受け取り方(認知)気分・行動
上司にあいさつを返されなかった「嫌われている。何かミスをしたに違いない」不安で落ち込む、上司を避ける
上司にあいさつを返されなかった「急いでいて気づかなかったのかな」特に気にせず仕事を続ける

認知の歪みは、誰にでもあるものです。問題になるのは、歪みが強く、何度も同じパターンで自分を苦しめてしまうときです。悩みのパターン全体は「悩みの原因10パターン」で整理しています。

認知の歪み10パターン一覧と例

バーンズが整理した10のパターンを、よくある例と一緒に一覧にしました。

パターンどんな考え方?よくある例
1. 全か無か思考(白黒思考)物事を「完璧か、失敗か」の両極端で考える「90点でも満点じゃなければ意味がない」
2. 一般化のしすぎ一度の出来事を「いつも」「すべて」に広げる「一回断られた。いつも自分はうまくいかない」
3. 心のフィルター悪いところだけに注目し、良いところが見えなくなる10人にほめられても、1人の批判ばかり気になる
4. マイナス化思考良い出来事まで、悪い意味にすり替える「ほめられたのは、お世辞に決まっている」
5. 結論の飛躍(心の読みすぎ・先読み)根拠がないのに、人の気持ちや未来を悪く決めつける「返信が遅いのは怒っているからだ」「どうせ失敗する」
6. 拡大解釈と過小評価失敗を大きく、成功や長所を小さく見る「この小さなミスで、すべて台無しだ」
7. 感情的決めつけ自分の感情を、事実の証拠にしてしまう「不安だから、きっと悪いことが起こる」
8. すべき思考「〜すべき」「〜しなければならない」で自分や人を縛る「親なら、いつも笑顔でいるべきだ」
9. レッテル貼り一つの行動から、自分や人に否定的なラベルを貼る「ミスをした。自分はダメ人間だ」
10. 個人化(自己関連づけ)自分に関係のない出来事まで、自分のせいだと考える「チームの成績が悪いのは、全部自分のせいだ」

検索でもよく調べられている白黒思考とすべき思考は、とくに多くの人に見られるパターンです。完璧主義の人は白黒思考とすべき思考を、人間関係で悩みやすい人は心の読みすぎと個人化を、組み合わせて持っていることがよくあります。

認知の歪みセルフチェック

最近の自分に当てはまるものをチェックしてみてください。当てはまった項目が、あなたの考え方のくせです(医学的な診断ではありません)。

あなたの考え方のくせはどれ?

  • 少しでも失敗すると「全部ダメだ」と思う → 全か無か思考
  • 「いつも」「絶対」「みんな」という言葉をよく使う → 一般化のしすぎ
  • いい日だったのに、一つの嫌なことで一日が台無しになる → 心のフィルター
  • ほめられても素直に受け取れない → マイナス化思考
  • 人の表情や返信から「嫌われた」と思い込む → 結論の飛躍
  • 自分の失敗は大きく、成功は「たまたま」と感じる → 拡大解釈と過小評価
  • 「こんなに不安なんだから、うまくいくはずがない」と思う → 感情的決めつけ
  • 「〜すべき」「〜しなければ」が口ぐせ → すべき思考
  • 「自分はダメな人間だ」と自分を決めつける → レッテル貼り
  • 周りで悪いことが起きると、自分のせいだと感じる → 個人化

認知の歪みの原因|なぜ考え方がかたよるのか

認知の歪みは、ある日突然できるものではありません。ベックは、子どもの頃からの経験を通じて「自分はこういう人間だ」「世の中はこういうものだ」という深い思い込み(スキーマ)がつくられ、それがストレスのかかる場面で、歪んだ考え(自動思考)として表に出てくると考えました。

背景例
子どもの頃の経験・親の影響完璧でないと叱られた → 「完璧でなければ価値がない」という思い込み
つらい失敗や否定された経験いじめや厳しい叱責 → 「人はいつか自分を見捨てる」という思い込み
今のストレスや疲れ疲れているとき、落ち込んでいるときほど、考えは悪いほうへかたよりやすい

認知の歪みが強くなると、落ち込みや不安が長引きやすくなります。うつ病や不安症の治療で用いられる認知行動療法は、まさにこの歪みに気づき、バランスのよい考え方を身につけることを目指す方法です。

認知の歪みを自分で治す方法|コラム法のやり方

認知の歪みを直す代表的な方法が、認知行動療法の「認知再構成法」です。その中でも、表に書き込んで考えを整理する「コラム法」は、自分でも取り組みやすい方法です。ここでは、厚生労働省の認知行動療法マニュアルでも紹介されている7つのコラムのやり方を紹介します。

1. 状況

気持ちが動いた場面を、事実だけ具体的に書きます。「いつ、どこで、誰と、何があったか」。例:月曜の朝、上司にあいさつしたが返事がなかった。

2. 気分

そのときの気分と、その強さを0〜100%で書きます。例:不安 80%、落ち込み 60%。

3. 自動思考

そのとき頭に浮かんだ考えを、そのまま書きます。例:「嫌われている。先週のミスを怒っているに違いない」。ここで、10パターンのどれに当てはまるかも確かめます(この例は「結論の飛躍」)。

4. 根拠

自動思考を支える事実を書きます。例:あいさつが返ってこなかった。先週、資料にミスがあった。

5. 反証

自動思考と合わない事実や、別の見方を書きます。例:上司は電話中だった。ミスはその日のうちに直して「ありがとう」と言われた。ほかの人にも返事をしていなかった。

6. 適応的思考

根拠と反証の両方を踏まえて、バランスのよい考えを書きます。例:「忙しくて気づかなかっただけかもしれない。気になるなら、あとで普通に話しかけてみよう」。

7. 今の気分

もう一度、気分の強さを0〜100%で書きます。例:不安 30%、落ち込み 20%。少しでも下がっていれば成功です。

反証が思いつかないときは、次の質問を自分に投げかけてみてください。

  • 同じことで悩んでいる友人がいたら、何と声をかける?
  • この考えが正しいという証拠は?正しくないという証拠は?
  • 以前、似た場面で、どうやって乗り越えた?
  • 5年後の自分から見たら、どう見える?
  • 最悪の場合と最良の場合、一番ありそうなのはどれ?

厚生労働省の相談サイト「こころの耳」では、認知行動療法の考え方を無料で学べるeラーニング「15分でわかる認知行動変容アプローチ」も公開されています。

コラム法を続けるコツ

  • 気持ちが落ち着いてから書く:強い感情のまっただ中では、反証は浮かびにくいものです。少し時間をおいてから書きましょう
  • 「正しい考え」を探さない:目指すのは、前向きな考えではなくバランスのよい考えです。無理なプラス思考は長続きしません
  • 毎日でなくていい:気持ちが大きく動いたときだけ書けば十分です。続けるうちに、頭の中だけで歪みに気づけるようになります
  • 同じパターンを見つける:何枚か書くと、自分がよく使う歪みのパターンがわかってきます

同じ考えが頭の中で何度も回って止まらない場合は「反芻思考とは?止まらない原因と止める方法7つ」、人と比べて落ち込みやすい場合は「劣等感とは?克服する方法」、「どうせ何をやっても無駄だ」と感じるなら「学習性無力感とは?克服する方法」もあわせて読んでみてください。

専門家に相談する目安

自分で直そうとしてつらくなったら:気分の落ち込みや不安が2週間以上続く、眠れない、仕事や家事が手につかない、「消えてしまいたい」と思うことがある。こうした状態のときは、自分だけで考え方を変えようとせず、心療内科・精神科やカウンセラーに相談してください。認知行動療法は、医療機関で専門家と一緒に行うこともできます。働く人は厚生労働省の相談サイト「こころの耳」も利用できます。

認知の歪みを自分で治すのに役立つ本

認知の歪みを10パターンに整理した、デビッド・バーンズの名著です。うつ気分を自分で克服するための方法が、具体的な例とワークでくわしく書かれています。認知の歪みを本格的に学びたい人に。

日本の認知療法の第一人者、大野裕さんによる書き込み式のノートです。コラム法を実際に書きながら練習できるので、この記事の方法を試したい人に向いています。

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認知行動療法の考え方を、日常の悩み・不安・怒りに当てはめて、新書でやさしく解説しています。最初の一冊として手に取りやすい本です。

認知の歪みについてよくある質問

認知の歪みは自分で治せますか?

軽いものなら、コラム法などを使って自分で直していくことができます。考え方のくせに気づくだけでも、気持ちが楽になることは少なくありません。ただし、落ち込みや不安が強いときや長く続くときは、専門家と一緒に取り組むほうが安全で効果的です。

認知の歪みは病気ですか?

認知の歪みそのものは、誰にでもある考え方のくせで、病気ではありません。ただ、歪みが強いと、うつ病や不安症などの症状を強めたり長引かせたりすることがあります。

白黒思考を直すにはどうすればいい?

「0か100か」ではなく、「何点くらい?」と点数で考える練習が役立ちます。「完璧ではなかったけれど、70点はとれた」のように、グレーの部分を言葉にしてみましょう。

すべき思考をやめたいです

「〜すべき」を「〜できたらいいな」「〜したほうが助かる」に言い換えてみてください。自分への要求がゆるみ、できなかったときの自己嫌悪も小さくなります。人に対する「〜すべき」を手放すと、怒りやイライラも減っていきます。

まとめ:考え方の「くせ」に気づけば、気分は変えられる

認知の歪みは、出来事を悪いほうへかたよって受け取ってしまう、誰にでもある考え方のくせです。白黒思考、一般化のしすぎ、すべき思考など、10のパターンを知っておくだけで、「あ、今また白黒で考えているな」と気づけるようになります。気づけたら、次はコラム法で「別の見方」を探してみてください。出来事は変えられなくても、受け取り方は変えられます。

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この記事を書いた人

こんにちは。 このブログは、困難や障害を突破する方法を解説しています。 仕事・お金・健康に関する記事は、公的機関の資料やサービスの公式情報を確認して書いています。特に、薄毛・脱毛・歯列矯正など医療や健康に関わる記事は、学会の診療ガイドラインや公的機関の資料を根拠にし、記事の最後に参考資料を載せています(制作方針は運営者情報に掲載しています)。 私自身の実体験や、困難に直面したときの考え方はnoteでも発信しています。 ▶ note「突破ラボ」を読む 人生、山あり谷ありで、誰でも大なり小なり行く手を阻む壁みたいなものを感じている方も多いのではないでしょうか。健康に関すること、お金に関すること、対人関係に関すること、様々な壁が私たちの前に立ちはだかります。壁を前にすると、結構悲観的になったりしますよね。 でも、案外、見方を変えたらうまくいったり、案ずるより産むが易し、であまり考えずに行動したらうまくいったりすることもあります。このブログではそんな困難を突破する方法を提示していきたいと考えています。このブログが少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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