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筋トレを始めると、必ずと言っていいほど出てくるのが「プロテインはどれくらい飲めばいいの?」という疑問です。1回にスプーン何杯なのか、1日に何回飲むのか、飲みすぎると体に悪いのか。
この記事では、たんぱく質が1日にどれくらい必要かを、国の基準と研究の両方から整理しました。結論から言うと、プロテインの量は「何杯飲むか」ではなく、食事と合わせて1日のたんぱく質が足りているかで決まります。
先に結論
- ふつうの成人の推奨量は男性65g・女性50g(日本人の食事摂取基準2025年版)
- 筋トレで筋肉をつけたい人は体重1kgあたり約1.6gが目安。それ以上とっても上乗せ効果は見られなかった
- 1回の量は20〜40gが目安。「1回に30gまでしか吸収されない」は言いすぎ
- プロテインは食事で足りない分を補うもの。腎臓の病気がある人はとりすぎに注意
たんぱく質は1日どれくらい必要?国の基準
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の推奨量(ほとんどの人が足りる量)を次のように定めています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜64歳 | 65g/日 | 50g/日 |
| 65歳以上 | 60g/日 | 50g/日 |
また、1日にとるエネルギーのうち13〜20%(50〜64歳は14〜20%、65歳以上は15〜20%)をたんぱく質からとるのが望ましいとされています。高齢者は筋肉が落ちやすいため、下限が少し高く設定されています。
なお、たんぱく質には上限量(これ以上とると害がある量)は決められていません。はっきりした根拠が足りないためで、「いくらとってもいい」という意味ではありません。
筋トレする人のプロテイン摂取量は「体重×1.6g」が目安
筋トレをする人の場合は、国の推奨量より多めにとると筋肉がつきやすくなります。2018年に、筋トレとたんぱく質の補給を調べた試験49本(約1,900人)をまとめた分析が発表されました。
- 筋トレ中にたんぱく質を補うと、筋肉の量と筋力の伸びが大きくなった
- ただし、1日に体重1kgあたり約1.6gを超えると、それ以上の上乗せ効果は見られなかった
- 年齢が上がるほど、補給の効果は小さくなった
| 体重 | 一般の推奨量(参考) | 筋トレする人の目安(×1.6g) |
|---|---|---|
| 50kg | 50g前後 | 約80g |
| 60kg | 50〜65g | 約96g |
| 70kg | 65g前後 | 約112g |
| 80kg | 65g前後 | 約128g |
体重×2gなどと書かれていることもありますが、研究を見るかぎり、ふつうの人が筋肉をつける目的なら1.6g前後で十分と考えられます。減量中は筋肉が落ちやすいので、やや多めにとってもよいでしょう。
プロテイン1回の量は?20gと40gどっちがいい?
「たんぱく質は1回に20〜30gまでしか吸収されない」という話をよく聞きます。しかし2023年のオランダの研究では、全身の筋トレのあとに25gと100gを比べると、100gのほうが12時間にわたって筋肉の合成が多く続いたという結果が出ました。多く飲んだぶんがすぐ無駄になるわけではないのです。
とはいえ、1回に大量に飲む必要もありません。研究者の一人は、実用的な目安として次のように説明しています。
- 次の食事まで5時間以内なら1回20g以上
- 次の食事まで時間があくなら1回40g以上
市販のプロテインは、付属のスプーン1〜2杯で20g前後のたんぱく質がとれるものが多いので、1回1杯(約20g)を基本に、足りなければ量を調整すれば大丈夫です。商品ごとに1杯の量は違うので、パッケージの表示を確認しましょう。
プロテインは1日何回?いつ飲む?
いちばん大事なのは1日の合計量です。飲むタイミングは、合計が足りていれば大きな差はないと考えられています。
- 筋トレのあと:習慣にしやすいタイミング
- 朝食:日本人の朝食はたんぱく質が少なくなりがちなので、補うのに向いています
- 間食:食事の間があくときに
食事でたんぱく質がしっかりとれている人は、プロテインを飲まなくてもかまいません。
はじめてのプロテインなら、定番のものから
プロテインは種類が多くて迷いますが、最初はドラッグストアでも見かける定番品が無難です。味が合わないと続かないので、まずは飲みやすい味を選びましょう。
筋トレのあとに飲むなら:ホエイプロテイン
牛乳由来で吸収が早いタイプ。チョコレート味で水でも飲みやすい、定番のプロテインです。
牛乳でお腹がゴロゴロする方・朝食や間食に:ソイプロテイン
大豆由来で、ゆっくり吸収されるタイプ。牛乳由来のプロテインが合わない人にも。
1杯あたりのたんぱく質量・価格・在庫は各ショップの商品ページでご確認ください。
食事でとれるたんぱく質の目安
| 食品 | たんぱく質の目安 |
|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし)100g | 約23g |
| 鮭 1切れ(80g) | 約18g |
| 卵 1個 | 約6g |
| 納豆 1パック(40g) | 約7g |
| 豆腐(木綿)150g | 約10g |
| 牛乳 200ml | 約7g |
| ギリシャヨーグルト 1個(100g) | 約10g |
日本食品標準成分表をもとにした概算です。商品や部位によって変わります。
たとえば「朝:卵2個と納豆」「昼:鮭定食」「夜:鶏むね肉150g」で、すでに60g以上になります。筋トレする人は、ここに足りない分をプロテインで補うイメージです。たんぱく質をとりやすい料理は「食事を改善して突破」のレシピも参考にしてください。
プロテインの飲みすぎは体に悪い?
健康な人が体重1kgあたり1.6g程度をとるぶんには、問題が起きるという根拠はありません。ただし次の点には注意しましょう。
- 腎臓の病気がある人:たんぱく質を制限するよう言われていることがあります。必ず主治医に相談してください
- カロリーのとりすぎ:プロテインにもカロリーがあります。食事に上乗せするだけだと体重が増えることがあります
- お腹の張り・下痢:牛乳由来のプロテインで、お腹がゴロゴロする人もいます。その場合は大豆由来のソイプロテインなどに変えてみましょう
- 食事の代わりにしすぎない:食事からはたんぱく質以外の栄養もとれます。食生活の基本を整えたうえで補うのが理想です
まとめ|プロテインは「食事の足りない分」を補うもの
たんぱく質の推奨量は、成人男性で1日65g、女性で50g。筋トレで筋肉をつけたい人は体重1kgあたり約1.6gが目安で、それ以上とっても上乗せ効果は見られませんでした。1回の量は20〜40gが目安ですが、大事なのは1日の合計です。まず食事でどれだけとれているかを確認し、足りない分をプロテインで補いましょう。筋トレの頻度は「筋トレは週何回が正解?」で解説しています。
参考にした資料
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(概要)
- Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018
- Trommelen J, et al. The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans. Cell Rep Med. 2023(研究者による解説)
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
