薬剤師の転職では、年収や勤務時間だけを見て職場を決めると、入職後に「想像していた仕事と違った」と感じることがあります。
同じ薬剤師でも、調剤薬局、病院、ドラッグストアなど勤務先によって仕事内容は大きく異なります。さらに、処方箋枚数、人員配置、在宅業務、休日、異動などによって実際の働きやすさも変わります。転職前に確認しておきたいポイントを7つに整理します。
1.年収だけで転職先を決めない
高年収の求人は魅力的ですが、その金額には理由がある場合があります。薬剤師が不足している地域、勤務時間が長い職場、土日や夜間勤務が多い職場などでは、給与が高く設定されていることがあります。
一方、年収が多少低くても、残業が少ない、患者数や処方箋枚数に余裕がある、休日を取りやすいなど、自分にとって働きやすい職場もあります。「収入」「勤務時間」「仕事内容」「休日」のどれを優先するのかを先に決めておくことが大切です。
2.1日の処方箋枚数と薬剤師数を確認する
調剤薬局では、単純な処方箋枚数だけでなく、それを何人の薬剤師で対応しているのかが重要です。同じ1日100枚でも、薬剤師の人数や処方内容によって一人あたりの負担は変わります。
門前の診療科、繁忙時間帯、調剤補助者や事務職員の配置、欠員時の応援体制なども確認しておくと、実際の忙しさを想像しやすくなります。
3.在宅業務の有無と内容を確認する
求人票に「在宅あり」と書かれていても、個人宅を数件訪問する職場と、多数の施設を担当する職場では負担が大きく異なります。
訪問件数、施設在宅か個人在宅か、車の運転が必要か、オンコール対応があるか、在宅業務を誰が担当するのかまで確認しておきましょう。在宅経験を積みたい人にとっては魅力になりますが、希望していない場合は入職後のギャップにつながります。
4.残業と勤務終了時間の実態を見る
薬局では、最後の患者さんの処方箋を受け付けた時刻によって退勤が遅くなることがあります。求人票の営業時間や勤務時間だけでは、実際の退勤時刻が分からないことがあります。
月平均残業時間だけでなく、門前医療機関の診療終了後にどの程度患者さんが来るのか、薬歴記載などの業務が勤務時間内に終わるのかも確認したいところです。
5.配属店舗と異動・応援勤務を確認する
複数店舗を運営する薬局やドラッグストアでは、採用時に示された店舗だけで働き続けるとは限りません。欠員店舗への応援や、別店舗への異動が行われることがあります。
異動範囲、通勤可能な店舗、転居を伴う異動の有無、応援勤務の頻度などを入職前に確認しておきましょう。自宅から近いことを理由に応募する場合には特に重要です。
6.休日と有給休暇の「取りやすさ」を見る
年間休日数が多くても、薬剤師の人数がぎりぎりでは希望日に休みにくいことがあります。逆に、十分な人員が確保されている職場では、比較的休暇を調整しやすい場合があります。
年間休日数だけでなく、有給休暇の取得状況、希望休、連休、年末年始、産休・育休や時短勤務の利用状況なども確認しておくとよいでしょう。
7.職場の雰囲気と離職状況を確認する
薬局や病院では、比較的少人数のスタッフで長時間一緒に働くことも多いため、人間関係や職場の雰囲気は働きやすさを大きく左右します。
短期間で退職する薬剤師が多い場合には、人員不足、業務量、教育体制、人間関係など何らかの理由がある可能性があります。可能であれば職場を見学し、薬剤師同士だけでなく、事務職員や他職種とのやり取りにも目を向けてみましょう。
調剤薬局であれば、通常の営業時間に患者として利用できる機会があれば、待ち時間、受付の対応、服薬指導の様子、スタッフ同士の雰囲気などから、求人票だけでは分からない部分が見えてくることもあります。
まとめ|年収ではなく「実際の1日」を想像して選ぶ
薬剤師の転職では、年収だけでなく、処方箋枚数、人員配置、在宅業務、残業、異動、休日、職場の雰囲気まで含めて判断することが大切です。
求人票を見たときに「ここで働く自分の1日はどうなるだろう」と具体的に想像してみること。そのために必要な情報を面接や見学で確認しておけば、転職後の「こんなはずではなかった」を減らしやすくなります。
