医師の転職では、年収や勤務日数だけを見て転職先を決めると、入職後に「こんなはずではなかった」と感じることがあります。
求人票に書かれた条件だけでは、実際の忙しさや拘束時間、職場の雰囲気、求められる役割までは分かりません。転職前に確認しておきたいポイントを7つに整理します。
1.年収だけで転職先を決めない
医師の転職では、どうしても最初に目が行くのが「年収」です。しかし、提示された年収だけを見て転職先を決めるのはおすすめできません。
当直、オンコール、時間外勤務、救急対応などを含めると、同じ年収でも実際の働き方は大きく異なります。定時の診療以外に、どれだけ拘束される時間があるのかを事前に確認することが重要です。
たとえば、年収が高くても当直やオンコールが多く、休日にも頻繁に呼び出される職場であれば、時間当たりで考えた待遇は必ずしも良いとは限りません。反対に、年収は多少低くても、患者数が少なく、一人ひとりに時間をかけながら比較的ゆったり診療できる医療機関であれば不満は少ないでしょう。
また、「忙しくても多くの症例を経験したい」「収入を優先したい」「家族との時間を増やしたい」「年収が下がっても負担の少ない働き方をしたい」など、医師によって理想とする働き方は違います。
大切なのは、年収の高低だけで医療機関を比較するのではなく、自分がこれからどのように働きたいのかを先に明確にすることです。そのうえで、年収、勤務時間、患者数、当直・オンコール、休日、診療内容などを総合的に比較すると、転職後の「こんなはずではなかった」を減らせます。
2.「週○日勤務」の中身を確認する
「週4日」「週5日」といった表記だけでは、実際の勤務負担は判断できません。始業・終業時刻だけでなく、早出、残業、土曜勤務、研究日、当直明けの勤務なども確認しておきましょう。
特に当直明けに通常勤務が続くのか、診療終了後に書類作成やカンファレンスがどの程度あるのかによって、生活への影響は大きく変わります。
3.当直とオンコールを曖昧にしない
当直については、月の回数だけでなく、当直料が年収に含まれているのか別途支給なのか、救急受け入れ件数や夜間の呼び出し頻度も確認が必要です。
オンコールも「あり・なし」だけでは不十分です。実際に電話が鳴る頻度、病院へ出向く頻度、休日の拘束、手当の有無まで聞いておくと、入職後のギャップを減らせます。
4.診療内容と求められる役割を確認する
同じ診療科の求人でも、外来中心、病棟管理中心、救急対応ありなど、仕事の中身は医療機関によって異なります。管理職候補としての採用であれば、診療以外のマネジメント業務が増える可能性もあります。
外来患者数、病床数、担当患者数、救急対応、手術や検査の件数など、自分が実際に担当する業務をできるだけ具体的に確認しておきましょう。
5.医師数と退職者の動きを見る
求人票の条件が良くても、常勤医が短期間で何人も辞めている場合には、その理由を確認した方がよいでしょう。医師の入れ替わりが激しい背景には、業務負担、人間関係、経営方針など、求人票からは見えない事情が隠れていることがあります。
面接時には、現在の常勤医数や診療体制に加えて、「今回の募集は増員なのか、退職者の補充なのか」を聞いてみるのも一つの方法です。
6.契約書・労働条件を入職前に確認する
給与、勤務日、勤務時間、当直、休日、契約期間など、重要な条件は口頭の説明だけで済ませず、契約書や労働条件を示す書面で確認しておくことが大切です。
「面接ではこう聞いていた」という認識と、実際の契約内容が異なると後から問題になります。疑問点があれば、入職してからではなく契約前に確認しましょう。
7.転職エージェントを1社だけで決めない
医師の求人には一般公開されていない案件もあり、転職サービスや担当者によって得られる情報が異なることがあります。そのため、最初から1社だけに絞らず、複数のサービスを比較する方法もあります。
求人条件だけでなく、医療機関の診療体制や募集の背景など、表からは見えにくい情報をどこまで把握しているかも担当者を見るポイントです。
まとめ|「この働き方を続けられるか」で考える
医師の転職では、年収が上がることだけが成功とは限りません。収入、勤務時間、患者数、当直・オンコール、診療内容、職場環境のどれを優先するかは人によって違います。
「この働き方を5年続けられるだろうか」という視点で求人を見ると、自分に合った職場を判断しやすくなります。まず自分が何を優先したいのかを整理し、その条件に合う医療機関を比較することが、転職後の後悔を減らす第一歩です。
