宇多田ヒカルが、2023年8月20日放送の「まつもtoなかい」/フジテレビに出演した。同番組は、松本人志と中居正広が初めてタッグを組んだトーク&パフォーマンス番組だ。
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宇多田ヒカルの経歴
映画「キングダム 運命の炎」主題歌「Gold ~また逢う日まで~」をリリースした宇多田ヒカル。(上の写真は、Hikaru Utada official website より)
15歳でトップアーティストに
宇多田ヒカルは、今年でデビュー25周年。1998年に「Automatic/time will tell」でデビュー、同シングルは200万枚以上を売り上げ、15歳にしてトップアーティストに。
翌年に1stアルバム「First Love」を発表すると、日本国内のアルバムセールス歴代1位となる、767万枚の売り上げを記録。いまだにこの記録は破られていない。
以降も、リリースするすべての楽曲が大ヒット、2007年発売のシングル「Flavor Of Life」はダウンロード数の世界記録を樹立。
「まつもtoなかい」に出演した宇多田ヒカル
音楽活動の休止
2011年から音楽活動を休止し、翌年にはイギリス・ロンドンに移住した宇多田。そのときの心境を番組内でこう語った。
「15歳から有名になって全部まわりがやってくれてる、大人になってからの能力を何も身につけていない自分に恥ずかしくなって、得意じゃないことをやってみよう、と思った」
ロンドンに住むことにした理由は、「ニューヨークだと住むところもあるし、銀行口座もあるし、弁護士もいるし、何も特にすることがなくて。生まれたのがニューヨークで、一人暮らしを初めてしたのもニューヨークで、全部セッティングされていたので、東京と全然変わらない」
そういう宇多田に「ニューヨークと東京が変わらないの?」と驚く中井。「いや、だからなかなかすごい世界の人なのよ」と腕組みをしてしみじみ言う松本。
母親、藤圭子について語る
「私の母親も、同じ年、27,28歳とかで休業してるんですよ。あとから気づいたんですけど」と明かす宇多田。母親とはご存じのとおり藤圭子だ。
松本はお母さんのアルバムを買ったと言い、「お母さんのカバーアルバムを出してほしい」と宇多田に懇願するが、「母親に演歌歌っちゃダメ、と言われてます」とやんわり拒否される。
https://a.r10.to/hgLnYLなんで?という中井に「歌い方、ビブラートと演歌のこぶしが逆だらしくって、彼女が言うにはですけど」と返す宇多田。松本は、「俺、音楽の事わからへんから中井君に聞いてみて」中井を見て「こぶしが逆とは?」と意地悪な質問。
中井は一瞬とまどいながらも「こぶしが逆なんでしょ」と自分の握りこぶしを裏表にしてみせる。それを見た宇多田は「野球の話?」と笑い、終始なごやかに番組は進行する。
場をなごませながら明るくトークする宇多田、音楽活動だけを見れば順風満帆な芸能生活を送ってきたと思うところだが、実は、そうではない。母親との死別、二度の離婚など彼女の人生は波乱万丈なのだ。
Fantôme(ファントーム)
アルバム、Fantôme(ファントーム)を作るきっかけ
この原稿は、2023年8月21日に書いているのだが、今から丁度10年前の2013年8月22日、藤圭子は知人が住むマンションから飛び降り自殺をした。彼女は、1988年頃から精神疾患を患っており、何度も自殺未遂を起こしていた。彼女は薬物治療やカウンセリングを受けていたが、効果はあまりなく、孤立や不安に苦しんでいたという。彼女は自分の音楽や人生に対する情熱や自信を失っており、「もう歌えない」と言っていたという証言もある。
藤圭子の死は、音楽界やファンに衝撃を与えた。彼女は1969年に「新宿の女」でデビューして以来、多くのヒット曲やアルバムを生み出し活躍した。彼女はドスの効いたハスキーボイスと凄みのある歌いまわしで、夜の世界に生きる女性の情感を描いた。
彼女の死後、娘の宇多田ヒカルや夫の宇多田照實氏はコメントを発表した。宇多田ヒカルは、「母が亡くなったことは私の人生で一番辛かったことです」と言っており、「母が私に与えてくれたものは計り知れません。私は母から音楽を教わりました」とも言っている。
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亡き母に捧げたアルバム、Fantôme(ファントーム)
金銭関係のもつれなどから、宇多田ヒカルと藤圭子は確執があったと報じられている。真偽のほどは定かではないが、宇多田ヒカルが2010年~2016年の「人間活動」と称した活動休止からの復帰後初のアルバム「Fantôme(ファントーム)」は、亡き母に捧げたアルバムだ。
椎名林檎も参加したこのアルバムは秀逸で、第58回日本レコード大賞では最優秀アルバム賞を受賞し、CDショップ大賞なども受賞。オリコンランキングで4週連続1位を記録。Billboard Japan Hot Albumsでは2016年度年間首位を獲得したほか、CD出荷枚数と配信売上の合算でミリオンセールスを記録した。
宇多田ヒカルは、活動休止の直前に、先に挙げた理由のほかに、「親について知ること」を人間活動中の課題としていると答えていたことから、休養中じっくりと自分と向き合うことで、今はなき母親への愛情を再確認し、自身の母親に対する思いを楽曲として昇華させたのだろう。このアルバムは、母親である藤圭子への愛情が溢れんばかりに描かれており、確執があったことなど微塵も感じさせない、素晴らしいアルバムである。宇多田ヒカル、藤圭子のふたりともご存じの方は、是非、一度聴くことをおすすめする。
宇多田ヒカル / Fantome(SHM-CD) [CD]まとめ
1stアルバム「First Love」を発表し15歳の若さでトップアーティストとなった宇多田ヒカル。
豊かな音楽的才能に恵まれビジネスは成功しながらも、実生活においては苦難続きだった。
しかし、幾多の困難を乗り越えた彼女の表情は明るく、行動は前向きだ。今後も、彼女の活躍を見届けたい。
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