フローとは何か?
フローは心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した心理学の概念で、個人が特定の活動に深く没頭し、時間の経過を忘れ、自我の意識を超えた状態を指します。この状態に入るためには高い集中力が必要なことから、課題を達成しやすくなります。
フローは、完全な集中をしているときに出現する
フロー状態にある時、個人は課題に対する完全な集中を示し、他のことが気にならなくなります。
カフェでの仕事に熱中して、周囲の会話が気にならなくなった、読書に没頭して名前を呼ばれても気がつかなかった、などは集中力が高いときに起きる現象です。
フローは、時間の経過を忘れる
時間の経過を感じず、完全に活動に没頭します。
テレビゲームに没頭するあまり時が経つのを忘れ、お昼ご飯を食べ損なった、執筆に集中していたらいつまにか夜になっていた、などは時間の経過を忘れているときに生じます。
フローは、自我を消失させる
個人の自我意識が薄れ、課題を遂行するために必要な行動が自然にとれるようになります。
フローで、成功体験しやすくなる
フロー状態に入り高い集中力が持続すると、目的を達成しやすくなり、成功体験をする機会が高まります。
成功体験を積み上げることは、自己肯定感を高めることに繋がり、自分に自信が持てるようになります。
フローと集中力の関係
フロー状態は、高い集中力が生み出すものであり、集中力はフロー状態に至るための重要な要素とされています。
集中力の向上がフロー体験を促進する
集中力を向上させることで、個人は課題に深く没頭し、フロー体験を得ることが可能となります。集中力の高まりと共に、創造性や生産性も向上し、満足感を得ることができます。
フロー状態がさらなる集中力を生む
フローと集中力は密接に関連しており、お互いに影響を与え合います。集中力を高めることでフロー状態を得ることができ、フロー状態がさらなる集中力を生む循環を生み出します。
一度フロー状態に入ると、その体験が集中力をさらに高め、集中が持続するようになります。これは、フロー状態により高い達成感と満足感を得ることができ、課題に没頭することが大きな楽しみになるためです。
フローはどのようなときに出現しやすいか
フロー状態は特定の条件下で発生しやすいとされています。以下の要因や活動は、フロー体験の可能性を高める要素として認識されています。
課題の難易度が適切なとき
個人の技能と課題の難易度が適切にバランスを取れている場合に、フロー状態に入る可能性が高まります。課題が難しすぎると不安を感じ、簡単すぎると退屈を感じる可能性がありますが、適切なバランスが取れているとフロー状態に入りやすくなります1。
明確な目標が設定されているとき
明確な目標が設定されている場合、個人は何を達成する必要があるのかを理解し、フロー状態に入りやすくなります。
直ちにフィードバックを受けられるとき
課題の実行中に直ちにフィードバックを受けることができれば、個人はパフォーマンスを調整し、フロー状態を維持するのに役立ちます。結果ではなく、その過程に集中しているときにフローは起こりやすいとされています。
フローを体験しやすい具体例
ゲームプレイ
適度な難易度のテレビゲーム、ビデオゲームは、ゲームをクリアするという明確な目標があり、結果がただちにフィードバックされることから、フロー体験が非常に起こりやすい活動とされています。
スポーツとフィットネス
スポーツやフィットネスも、フロー状態に入りやすいものです。個人が適切な技能レベルを持っていて、挑戦的な目標に取り組んでいる場合に、フロー体験が促進されます。
芸術や創造的な活動
芸術や創造的な活動は、自分の技能をフルに活用し、新しいアイデアや解決策を探求する機会を提供するため、フロー状態を体験しやすくなります。
学習や読書などの知的な活動
学習や読書で、新しい知識や技術を習得したりしている最中に、フロー状態となることがあります。学習していることや読書の内容を理解し、納得しながら進めているときにフローは現れやすいです。
学習しているときにペンが走って止まらない、キーボードでの打ち込みが止まらない、読書をしているときに先が知りたくてページをめくる手が止まらない、などのときはフロー状態といってよいでしょう。
マインドフルネス
マインドフルネスの実践は、集中力を高め、現在の瞬間に完全に没頭することを可能にし、フロー状態を促進することがあります。
これらの活動によりフロー状態に入ると、最高のパフォーマンスが発揮できるようになり、よりよい成績を残したり、満足感を得る機会が多くなります。
まとめ
フローは、個人が特定の活動に深く没頭し、時間の経過を忘れ、自我の意識を超えた状態を指します。
フロー状態にある時、課題に対する完全な集中を示し、他のことが気にならなくなり時間の経過を忘れるほど没頭します。
集中力を向上させることで、フロー体験を得ることができ、フローは集中力をさらに高めていきます。
フローは、目標が明確に設定され、個人の技能と課題の難易度が適切にバランスを取れている場合に出現しやすく、課題の実行中に直ちにフィードバックを受けることができれば、さらに深いフロー状態になることができます。
具体例としては、テレビ・ビデオゲーム、スポーツ、芸術など創造的な活動、学習や読書などの知的な活動、マインドフルネスの実践中などにフロー状態が現れることがあります。
フロー状態にはいれば、驚くほど生産性があがり、知識や技術を身につける時間も大幅に短縮されます。みなさんも集中力を高める工夫をしてフロー状態にはいる頻度を高め、人生に役立ててはいかがでしょうか。